「歌は心でうたうもの」私の履歴書=船村徹氏著

水城なつみさんが以前ブログで、「栃木にある船村徹先生記念館に初めて行きました」と書いていたので、取り寄せて読んでいる本のタイトルが「歌は心でうたうもの」です。先日読み終えましたが、感動する箇所が多いです、改めて船村徹という方は素晴らしい人だったのだなと感じています。まえがきの一部を抜粋してご紹介させて頂きます。
 
「歌は心でうたうものである。テクニックがどんなに優れていても、心のつぶやきや叫びから出たものでなければ、けっして聴く者を感動させることはできない。日本の音楽教育は明治以来、西洋音楽至上主義の歴史を歩んできた。それもテクニック重視で、心をうたうことを教えてこなかった。のみならず、邦楽全般を西洋音楽よりも下に見る風潮が広く社会を覆い、中でも町の片隅で黙々と生きる人々の哀歌をうたう歌謡曲や演歌を蔑(さげす)む傾向さえある。私の作曲家人生は、こうした風潮に対する反逆でもあった。」・・・船村徹先生著書まえがきより
 
 
水城なつみちゃんのおかげで、素晴らしい本に出会えたと思います。また、本文中で、村田英雄さんの名曲「王将」の作曲の際に「(西條八十)先生が将棋のことをまったくご存じないことは百も承知だったが、そんなことはどうでもよかった。やがて、『吹けば飛ぶよな 将棋の駒に』で始まる『王将』の詩ができてきた。私は『吹けば飛ぶよな演歌の旋律(ふし)に賭けた男を笑わば笑え』と読み替えて、まるで自分の心を詠んでいるような詩に素直に感動を覚えた。」 という文章にも感動を覚えました。替え歌好きで、時々勝手に読み替えてる自分と重ね合わせてしまいそうな、そんな思いを抱いてしまいました。「歌は心でうたうもの」、心強い、人生をも励ましてくれる素晴らしい言葉です。